1.基本的な考え方

 印西市におけるまちづくりの根幹に、私は「千葉ニュータウン事業の推進」「農業・農村振興」そして「中心市街地活性化=木下・小林の都市再生」という3つの課題を設定し、これまで様々な政策提言をおこなってきました。特に、民間資本のニュータウン地区への集中的な投資がすすむなか、この中心市街地の活性化対策は「格差のないまちづくり」を進める上で市政の最重要課題となっております。

 印西におけるまちづくりは、まさに600ヘクタールにのぼるニュータウンの未利用地をいかに有効活用するかが問われています。「格差のないまちづくり」や少子高齢化対策など社会保障を財政的に担保するため、インキュべーション(起業支援)を含む企業誘致さらに成田新高速鉄道、北千葉道路といった都市基盤整備を着実にすすめていかなければなりません。そこには民間のビジネス感覚が必要であり、情報収集や人脈づくりといった要素が大切となります。

 いずれにしても千葉ニュータウンは、市場経済の論理で街が動いています。一方、木下・小林といった中心市街地(旧市街地)は、市場競争の中で衰退し空洞化を招いています。私はこの中心市街地活性化を考えるにあたり、昭和40年代までの繁栄、北総地域経済の中心といった過去の栄光を追っても意味がないことだと考えます。今さら市場経済、競争を基調とする新自由主義的発想で活性化を考えても何も生まれません。ここは最先端のまちづくりは千葉ニュータウンにまかせ、六軒や木下といった旧街場は、水辺の風情や街並み(蔵等の建造物)を売りにしたレトロタウンを目指すべきだと思います。大型流通店舗がしのぎを削る弱肉強食の世界がニュータウンならば、レトロタウンは団子や煎餅、うなぎ、蕎麦といった伝統の食文化や骨董市、「舟運(しゅううん)川巡り」など時代遅れ(歴史的資源)を“売り”にすればいいのです。現代はまさに“癒し”の時代です。

 市場経済の罠にはまることなく、その対極の共同体経済(滝田の造語:人の顔が見え、信頼や絆を基礎に営まれる地域経済)の発想で、中心市街地活性化を考えていかなければならないと思います。まさに発想の転換!時代遅れを逆手に取れば可能性が見えてくるはずです。

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